ダイヤモンドポルカなどの淡水エイの魅力
ダイヤモンドポルカやポルカドットスティングレイなどの淡水エイは、その独特な形状と様々な模様や色が美しく、観賞魚として注目を集めています。
観賞魚の中でも少し変わった特徴を持っているので、飼育する際は基礎知識として淡水エイの生態を知っておきましょう。
淡水エイとは
淡水エイは川や湖などの淡水域に生息するエイの事です。
アマゾン川流域に生息する南米固有のアマゾンタンスイエイ科や、東南アジアを中心に生息しているアカエイ科のオトメエイ属の一部などが淡水エイに属します。
特にアマゾンタンスイエイ科は大変多くの種類が存在し、色や模様も様々ですので、自分好みのエイを見つける楽しみもあります。。
現在人気のある淡水エイの多くは、このアマゾンタンスイエイ科のエイの個体です。
ポルカドットスティングレイやモトロもアマゾンタンスイエイ科のエイに分類されます。
代表的な淡水エイの種類
現在日本で比較的流通している、代表的な淡水エイをご紹介します。
ダイヤモンドポルカドットスティングレイ
形は円形で、体色は黒、全体にスポットと呼ばれる白い斑点があるのに加えて、外輪には細かいスポットが現れる淡水エイです。
この種類は人気が高く、スポットの大きさや出方によって「ギャラクシーダイヤモンドポルカ」、「エクリプスダイヤモンドポルカ」、「ビッグスポットダイヤモンドポルカ」と区別して呼ばれることもあります。
ポルカドットスティングレイ
名前にも「ドット」とある通り、黒い体に白いスポット(点)の水玉模様がとても印象的な淡水エイです。
模様がとても美しく、上記のダイヤモンドポルカと同様に、淡水エイの中でも非常に人気の高い種類です。
比較的飼育しやすいことから入門種としても人気があります。
成長すると60cmを越える個体もおり、個体によってそれぞれ違った模様が現れます。
クロコダイルスティングレイ
体の全体に、大きなリングで囲まれた金色のスポットがある、とても特徴的な淡水エイです。
模様の特徴から「ゴールドリングスティングレイ」と呼ばれる事もあります。
成長すると60cmを越える個体もおり、泳ぐ姿はとても優雅で迫力があります。
中には「ホワイトクロコダイル」と呼ばれる、スポットが白く出る個体も存在します。
モトロ
薄い茶色に少し黄色を混ぜたような体色をしており、ドーナツ型のこげ茶色をしたスポットが入っている個体が多く、「オレンジスポット」の名前で親しまれてきた淡水エイです。
野生では主にアマゾン川流域に生息しています。
アマゾン川は大変範囲が広いので、生息している地域によって「ペルーモトロ」・「コロンビアモトロ」のように、種類が分けられています。
多くの個体は薄茶色の体色をしていますが、黒みがかった個体も存在し、バリエーションが豊富です。
卵胎生という特徴
ほとんどの魚類は「卵生(らんせい)」で、卵の状態で産み出されます。
しかし淡水エイは少し特殊で、「卵胎生(らんたいせい)」という生態を持っています。
「卵生」は親個体から卵の状態で産み出され、卵の中である程度成長してから殻を割って誕生します。
一方、淡水エイに見られる「卵胎生」は母親の体内で卵から孵化(うか)し、胎内で卵黄などから栄養を吸収して、ある程度発育してから体外に産み出されます。
このように、淡水エイは他の魚類と少し違った生態を持つのも特徴の一つです。
雌と雄のペアを揃えて、水質等に気を使いながら繁殖行動が取れる環境を作ってあげると、繁殖も期待出来るかもしれません。
発情期の雄はかなりしつこいので、雌が受け入れない場合は一時隔離してあげましょう。
淡水エイの武器「毒棘」
淡水エイの尾の付け根には毒性を持ったトゲがあります。
トゲの両側には鋸状の歯があり、とても危険です。
淡水エイはほとんどが穏やかな性格ですが、無闇に刺激するとエイが驚いて毒棘で刺してしまいます。
毒は複数のアミン酸からなる中性のタンパク毒であり、刺された場合は激しい痛みや発汗、ひどい場合には、めまい、呼吸困難、痙攣などの症状を引き起こす場合もありますので、もし刺されてしまった場合には念のため医師の診察を受けましょう。
淡水エイを水槽に導入する時には細心の注意を払って扱いましょう。
安全のために、毒棘にゴムチューブを被せるなどの方法もありますが、淡水エイが暴れて刺されてしまわないよう注意が必要です。
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